かき氷といえば、どんな見た目をイメージしますが?
昔ながらの荒く削った氷にイチゴやメロンなどのシロップがかかったかき氷でしょうか?
それとも、口に入れた瞬間に溶けてしまう、ふわふわでサラサラな氷の食感が楽しめる
ケーキ化された進化系かき氷でしょうか?昔からあるかき氷でも、ここ数年来驚くような進化を遂げています。
「にっぽん氷の図鑑」という日本初のかき氷店ガイドが、ぴあMOOKから2015年に出版されています。
その頃からすでに、現在にも続くかき氷の人気スタイルのいくつかがすでに紹介されています。
かき氷人気は、少なくても5年以上の前から続いているのが解ります。
そこで、今回はおいしいかき氷が食べられる、関西でおすすめのお店をご紹介します。
昔はジャリジャリにシロップをかけて終わり。今は多種多様なかき氷
昔は、確かに単品のシロップをかけただけの気軽な氷菓でした。
お家かき氷以外で食べられるのは、和の甘味処で「宇治金時」などの和風かき氷、
喫茶店でカラフルシロップにフルーツやアイスクリームが盛った「フラッペ」、
お祭り屋台で食べられるカップかき氷などがありました。
使われるシロップも、昔はイチゴやメロンなど既製品しか無かったものです。
それが2003年に鎌倉(現在は鵠沼海岸)に「埜庵」が開店すると、お店のこだわりの「季節の旬食材のシロップ+天然氷」が人気を集め、
2011年に「ひみつ堂」というお店が東京都の谷中に開店以来、かき氷人気が動き出します。
「ひみつ堂」のかき氷はそれまでの常識を覆す、今に続くかき氷スイーツ化の先駆けとされるものでした。以来、かき氷人気は全国に飛び火します。
さらに台湾初の「マンゴーかき氷」や、韓国発のかき氷「パッピンス」などの人気も手伝い多種多彩なかき氷とかき氷専門店が登場します。
今では1年中かき氷が食べられるお店も珍しくありません。
多種多彩なかき氷については別途後述しますが、かき氷の人気と充実ぶりは現在も続いているのです
氷を砕くのではなく、今は氷を削ってふわふわ感を出している
スーパーで販売されているカップかき氷や夏祭りのかき氷は、かき氷機などでキューブ氷を砕く昔ながらの方法です。
一方の、例えば進化系スイーツ化かき氷の多くは、天然氷による氷が使われています。
天然氷は、水分子同士の結合が大変強く、一般的な氷よりも強固な氷になります。
ふわふわ感が強い口溶けが良いかき氷は、天然水によるブロック氷が
「かつお節」みたいに、薄くて長く帯状に削ることで作られます。
帯状で長さがある氷が積み重なると、間に隙間ができるので、
最近のかき氷で楽しめるあのふんわり感が生まれるのです。
シロップに一工夫加わっている?
かき氷にエスプーマが使われ始めたのは2013年頃といわれています。
エスプーマとは、スペイン語で「泡」を意味し、食材をムース泡状にする調理法です。そのエスプーマで各種素材をムース状にし、かき氷に盛ったのが「エスプーマかき氷」です。
モコモコ状態のソース(シロップ)なので、ソースをかけた時(のせた時?)でも氷は溶けません。氷の食感が損なわれないので、氷がフワフワのまま楽しめます。
エスプーマによってフルーツソースは元より、生クリームやカスタードクリームにチーズクリーム、チョコレートソースやヨーグルトソースなどソースの幅が広がり
かき氷はよりスイーツに近くなった、といわれています。
最近ではクレームブリュレ風(?)や、焦がしバターに
豆乳や酒粕など、一昔前なら考えられなかったシロップが増えています。
トッピングも、アイスクリームやジェラードにフルーツはもちろん、ソルビン風にきなこをかけたり、チョコレートやクッキーなどでデコるかき氷もあります。
実際ビジュアルがホールケーキのようなかき氷を提供するお店があり、
かき氷のケーキ化で冷たいスイーツとかき氷の境界線が、さらに近くなったといえるでしょう。
かき氷のケーキ化の先駆けといわれるのが、東京都渋谷区にある「セバスチャン」というお店です。過去に京阪百貨店守口店にも期間限定で出店していました
【動画】「セバスチャン」かき氷店編 vol.54 かき氷
ケーキみたいなかき氷の製造過程を収めた動画です。いつまでもみてしまう見飽きない動画です。「いちごのクリームブリュレ」が凄い…。
関西でのおすすめのお店紹介
関西圏内といってもおいしいかき氷を提供するお店は、ご存知の通り無数にあります。
この章では、関西圏でおすすめしたいかき氷の名店をご紹介します。
奈良県奈良市「おちゃのこ」
「おちゃのこ(御茶乃子)」は、中国茶の専門店です。夏季は喫茶スペースでかき氷が食べられることでも人気を集めています
中国茶専門店っぽいかき氷が食べたい人におすすめが、「擂茶(れいちゃ)氷」。20種以上の雑穀や豆に緑茶などをブレンドした擂茶をソースとした、一風変わったかき氷です。
また「いちごミルク氷」は、粉末にしたフリーズドライいちごがミルク氷の上にかかり、いちご風味が口いっぱいに広がり、まるごといちごが堪能できます。
住所:〒630-8226 奈良県奈良市小西町35-2 コトモール 1F
電話番号:0742-24-2580
最寄り駅:近鉄「奈良駅」から、徒歩3分
公式サイト:http://www.ocha-cha.co.jp/
大阪府大阪市「山口果物」
「山口果物」は、カフェでも専門店でもなく100年続く果物屋の老舗です。
たくさんのフルーツを用いたかき氷を多く提供しています。
多くあるメニューの中でもおすすめなのが、季節限定の「あまおうイチゴかき氷」です。
こだわり抜いたいちごで作った特製ソースは、かなり濃厚な味わいがあり
ビジュアルも味も満足できます。
他にも「アボカドかき氷」や「マンゴーミルクかき氷」など魅惑的なかき氷が満載なので、
特にフルーツやかき氷好きは、1度訪れてみてください。
住所:〒542-0062 大阪府大阪市中央区上本町西2-1-9 宏栄ビル1F
電話番号:06-6191-6450
最寄り駅:大阪メトロ谷町線「谷町六丁目駅」から、徒歩5分
公式サイト:https://www.fruit-garden.net/
兵庫県神戸市「二つ茶屋」
元町商店街に並ぶ、創業70年超えの和菓子の老舗です。
1Fは和菓子販売、2Fが喫茶室になっています。
見た目は定番かき氷「宇治あんしぐれ」、いわゆる宇治金時に
白玉トッピングのかき氷ですが、その「ふわふわ氷」が絶品です。
口に入れた瞬間に瞬殺レベルで溶けます。流行りのかき氷スタイルではありませんが、
かき氷好きならふわふわ氷は絶対に食べてみるべきです。
くずぜんざいや、くずあんみつなど、夏季はかき氷がのっており、氷菓として楽しめます。
住所:〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通3-7-9
電話番号: 078-331-0755
最寄り駅:神戸市地下鉄「みなと元町駅」下車、徒歩5分
公式サイト(食べログ):https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280102/28000635/
京都府京都市「お茶と酒 たすき」
祇園新橋沿いに建つ、パスザバトン京都祇園店内の飲食スペース「お茶と酒 たすき」は、
京都っぽい和の雰囲気を備えた、甘味処カフェ&バーです。
かき氷のメニューは、1年中通し楽しめる抹茶やほうじ茶を用いた定番フレーバーや
月替わりで新規の味が楽しめる期間限定のフレーバーが提供されています。
おすすめは「焙じ茶みつ きな粉練乳付」。
ふわふわ食感のかき氷に濃厚茶みつがかかり、その味はクセになるはず。
住所:〒605-0085 京都府京都市東山区末吉町77-6 パスザバトン京都祇園店
電話番号:京阪電車「祇園四条駅」から、徒歩2分
最寄り駅:075-531-2700
公式サイト:https://tasuki.pass-the-baton.com/store/kyoto_gion
滋賀県大津市「伽藍堂」
「伽藍堂」とは、八女茶と雑貨の販売や、八女茶を用いた甘味を提供する和風喫茶です。
かき氷は夏季のみの限定メニューで、かき氷メニューも「宇治茶」ではなく「緑茶」を使ったかき氷を提供しています。
フルーツソースを使ったかき氷や、練乳トッピングも有名で練乳の使い方が特徴的です。
おすすめかき氷は、やはり「緑茶ミルク氷」です。
ピーク時は4時間待ちもザラです。削りたてを提供しているので、
複数の注文には注意が必要です。
住所:〒520-0831 滋賀県大津市松原町9-29
電話番号:077-537-7433
最寄り駅:JR琵琶湖線「石山駅」下車、徒歩5分
公式サイト(公式ブログ):http://kraando.blog42.fc2.com/
日本国内でかき氷発祥とされる地とは、実は奈良県です。
正しくは「氷食文化発祥の地」といわれ
「氷池」または「氷室」の守護神として創建された「氷室神社」があります。
氷室の守り神をまつる「氷室神社」に感謝し、さらに栄えることを祈願する、
「ひむろしらゆき祭」というかき氷のお祭りが、
ここ数年毎年のように4月下旬~5月上旬に開催されます。
上記でご紹介しましたお店も、「ひむろしらゆき祭」に合わせ
特別なかき氷を提供するなど、かき氷好きはスルーできないイベントとなっています。
【動画】「アイスクリーム&かき氷好き」なあなたへ、氷の聖地「奈良・氷室神社」
「氷室神社」の紹介動画です。氷の神社らしく、奉納したかき氷はその場でいただきます。氷にのせて吉凶を占う「氷おみくじ」は珍しいですね。
まとめ
「かき氷発祥の地」が奈良県とされることから、
奈良県はもとより、関西圏でもおいしいかき氷を提供するお店が点在しています。
今どきのかき氷、昔と何がちがう?
・昔はシロップの既製品をかけただけの気軽な氷菓
・それまでかき氷は、カップかき氷・和風かき氷・フラッペしかなかった
・2000年を過ぎたあたりから手作りシロップを使ったかき氷の登場
・2011年に登場した「ひみつ堂」は、かき氷スイーツ化の先駆けてきなかき氷専門店
・台湾や韓国発のかき氷人気も手伝い、かき氷スイーツ化が進む
・今では1年中かき氷が食べられる専門店がある
氷を砕くのではなく、今は氷を削ってふわふわ感を出している。
・カップかき氷や夏祭りのかき氷はキューブ氷を砕く昔ながらの方法
・今は天然水によるブロック氷を薄くて長く帯状に削ることでふわふわ感をつくる
・ブロック氷を「やわらかく(0℃にする)」することで削りやすくなる
シロップに一工夫加わっている?
・エスプーマとは、食材をムースみたいな泡状に加工する調理法
・エスプーマにより、ふわふわ・もこもこソースになり、かき氷のトッピングの幅が広がる。
・昔では考えられない、生クリームやカスタードクリームなどのソースが存在
・見た目ケーキと変わらないかき氷もある
関西でのおすすめのお店紹介
・奈良県奈良市「おちゃのこ」
・大阪府大阪市「山口果物」
・兵庫県神戸市「二つ茶屋」
・京都府京都市「お茶と酒 たすき」
・滋賀県大津市「伽藍堂」
・日本国内でかき氷発祥とされる地、奈良県奈良市には「氷室神社」がある
かき氷人気は、現在も続いています。今回ご紹介のお店以外にも、まだまだかき氷を提供するお店があります。本記事を参考に、お気に入りのかき氷を探してみませんか。
いちご削りってご存知ですか?
5.6年ほど前から登場し、最近は究極かき氷の進化系として静かな人気を集める
凍らせたフルーツを削った「フルーツ削りかき氷」があります。
凍らせたいちごを削った、その名も「いちご削り」が有名ですが、
他に「削りマンゴー」があります。
関西では野外フェスやグルメイベント等で見かけた人も多いではないでしょうか。
2021年5月現在、関西に専門店がありません。
かき氷好きからすると、関西進出が待たれる「いちご削り」ですがいかがでしょうか。