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在宅勤務等でハンコ押さなくなりましたね。 電子印鑑の法的効力は?

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在宅勤務等でハンコ押さなくなりましたね。 電子印鑑の法的効力は?

電子印鑑という言葉、最近よく耳にしますよね。CMでも頻繁に流れています。この情報社会、リモートワークが増え、書類もどんどんデジタル化が進んでいます。そこで、「電子印鑑は利用してみたいけど、法的効力は実際どうなの?」と思いますよね。

ということで、今回は電子印鑑について、まとめました。

電子印鑑とは?

電子印鑑(デジタル印鑑)とは、電子文書に直接印鑑を押すことができるデータ化された印影のことです。

1995年、シヤチハタが発売したソフトウェア「パソコン決裁」が最初です。 “パソコンで作った書類を捺印するため印刷する”という手間をなくすため、開発されました。

他にも、文書がデジタルで完結することで得られるメリットがあります。

・書庫がいらない
・情報共有や書類の検索が簡単
・印影が欠ける、朱肉が他の書類についてしまうなどのトラブルがない

最近では、スマホで使用できる電子印鑑もあります。取引先で契約する際に、スマホで済んだら便利ですよね。また、出先での待ち時間や移動時間に、書類をチェックし、押印まで完了できてしまうというメリットがあります。

具体的な使い方が解説されている動画があります。パソコンに慣れてない方にも分かりやすいよう、丁寧に説明されていますので、ぜひご参考にしてくださいね。

印影、電子印鑑の違いとは?

実際に朱肉を使用して押印する印鑑には、大きく分けて次の2種類があります。

認印・・・どこにも印影を登録されていない印鑑
実印・・・役所や法務局に印影を登録されている印鑑

また、電子印鑑も大きく2種類に分けることができます。

  1. 実際の印影をスキャナ等でPCに取り込み、画像化したもの
  2. 印影に情報(印鑑の持ち主、作成者、タイムスタンプ)が組み込まれているもの

一見、物理的に押された印影が信用が高そうですが、特に登録がされていない認印は、“本人の意志を示す”という意味を持たせるには有効ではありません。

最近は100円ショップや文房具店など、どこでも買えてしまいます。逆に、安価で手に入るという面では、宅配の受取印のように、手軽に使いたい場面では便利ですね。

スキャンして画像化しただけの電子印鑑1は、低コストで扱えるというメリットはありますが、簡単に偽装できてしまうので、信用性は高くありません。

信用性が高いのは、“登録されている実印”と“情報が組み込まれた電子印鑑2”です。登録されている実印は言わずもがな、公的文書に使用しますよね。

ただ、押された正確な時間が記録できるという意味では、情報が組み込まれた電子印鑑の方が、信頼性が高い部分があります。

ここでは大きく4種類に分けてご説明しましたが、どの印鑑にもメリットとデメリットがあることをお分かりいただけたかと思います。これを理解して上手に使い分けましょう!

実印よりは効力は弱い?

2001年に「電子署名法」が施行されたことにより、デジタルによる印鑑の押印や手書きによる電子署名が法的に認められるようになりました。その第3条によって、本人による電子印鑑によって契約書を作成することができるようになりました。

電子印鑑を使用していたその契約書は、タイムスタンプ情報が改ざんではないことを証明してくれるので、信頼性が高く、実印と同程度の法的効力を持ちます。

ただし、2005年に施行された「e-文書法」により、文書の電子化の可否が定められました。それにより、不動産登記などは文書の電子化を法律で禁止されているため、実印を要求されます。

つまり、実印とデータ組み込みの電子印鑑では、効力としては同程度ですが、電子印鑑は使えない場面があるため、今のところ実印の方が有力であるということです。

電子印鑑のリスク

スキャンして画像化しただけの電子印鑑は、先ほども書いた通り、簡単に作成できる分、簡単に複製できてしまいます。

例えば、画像化した電子印鑑を使用した書類を取引先にデータで送ったとします。そのデータからキャプチャして、同じものを作ることは可能ですし、その後どこへ拡散して利用されてしまうか分かりません。このようなリスクを考えると、やはり安全性は低いでしょう。

また、電子印鑑はまだ新しいツールですので、取引先が必ずしも電子印鑑を認めているとは限りません。電子印鑑を利用しようとする場合は、相手先の方針に十分留意する必要があります。

まとめ

・電子印鑑(デジタル印鑑)とは、電子文書に直接印鑑を押すことができるデータ化された印影
・電子印鑑には、“画像化した電子印鑑”と“情報が組み込まれた電子印鑑”がある
・“情報が組み込まれた電子印鑑”は、実印と同程度の効力がある
・不動産登記などは文書の電子化を法律で禁止されているため、実印を要求される
・電子化が認められていない文書には、電子印鑑も使用できない

デジタル化やリモートワークで電子文書が増えてきています。
電子印鑑を正しく理解し、利用していきたいですね。



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