ヘアドネーションとは、病気や治療等で髪の毛を失ってしまった子供のメディカルウィッグを作るために髪の毛を寄付する活動です。
ヘアドネーションという言葉、皆さん知っていましたか?
ここ何年かの間、耳にすることが多くなったのではないでしょうか。
2015年に黒髪ロングヘアが印象的な女優の柴咲コウさんがヘアドネーションをして、
その内容をインスタグラムやメディアで発信したことで一気にヘアドネーションの知名度が上がりました。
知名度は上がりましたが、「髪の毛の長さやカラーなど条件はあるのか」、「どうやって寄付すればいいのか」など、いざ寄付しようと思うと分からないことばかりですね。
知っているようで知らないヘアドネーション。
今回は、そんなヘアドネーションを詳しくご紹介します。
ヘアドネーションとは?
ヘアドネーションとは、病気や治療、原因不明の脱毛などで髪の毛を失ってしまった18歳以下の子供たちにメディカルウィッグを作り、無償で提供する活動です。
活動団体は「Japan Donation & Charity(JHD&C通称ジャーダック)」というメディカルウィッグを無償で提供する国内で唯一のNPO法人です。
ヘアドネーション自体は1997年にアメリカの非営利団体が始めたチャリティーです。
1997年から12年経った2009年に大阪で美容師をしていた渡辺貴一代表が日本で初めて
「ヘアドネーション」を行う団体を誕生させました。
冒頭にあったように寄付される人には年齢制限があります。
では、ナゼ18歳以下の子供が対象なのでしょうか?
理由は以下の通りです。
・一般に売られているウィッグは大人用が多い
・フルオーダーでウィッグを作るのは大金がかかる
・人毛ウィッグは高く、子供には買えない
・人毛ウィッグ代+治療費は家族にとって大きな経済的負担
・見た目を一番気にする思春期の子供に髪の毛を提供したいから
など様々な理由があります。
ウィッグを作るのには時間と手間がかかり、ウィッグを待っている子供たちは約400人もいて、1年~2年もウィッグを待っている子供もいるそうです。
私たちは当たり前のようにヘアアレンジやヘアカラーを楽しめていますが、その当たり前ができない子供たちに私たちの髪の毛を提供することで、子供たちの明るい未来を守ることができます。
せっかく伸ばした髪の毛を切るのはもったいないし…
髪の毛を伸ばすのには時間がかかる…
と思う気持ちはとても分かります。
でも、私たちの髪の毛はまた生えてきますし、ショートヘアも楽しめます。
自分の髪の毛が誰かの役に立つのはとても嬉しいことではないでしょうか。
ヘアドネーションできる髪の毛の条件は?
では、いざ心を決めて今まで伸ばしてきた髪の毛を切ってヘアドネーションをしよう!と決意したものの、髪の毛の長さやカラーやパーマなど、、、、
条件はあるのか気になりますよね。
寄付できる髪の毛の1番重要な条件は31㎝以上の長さがあることです!!
(15㎝以上の長さでも可能な団体もあります。)
この条件をクリアしていればほとんどの髪の毛は寄付できます。
カラー・ブリーチ・パーマ・縮毛矯正・くせっ毛・天然パーマ・白髪なども寄付OKです。
(ただし、引っ張るとすぐ切れてしまうほどのダメージのある髪の毛は寄付できません)
※上記の髪の毛の中で受付不可にしている団体もあります。
人の髪の毛で作られたウィッグは化学繊維で作られたウィッグと違い、よりナチュラルでヘアアレンジがしやすく人の顔に馴染みやすいなどメリットがたくさんありますね。
人毛ウィッグは30人分の髪の毛で1つのウィッグができ、50㎝以上の髪の毛でロングウィッグを作ることができます。
ウィッグを待っている子供たちがまだまだいる状況なので、ヘアドネーションがもっと浸透してたくさんの髪の毛が早く集まると良いですね。
賛同しているサロンはある?
賛同しているサロンとはヘアドネーション団体の理念に共感と理解し、その活動にボランティアで協力しているサロンです。
※賛同サロンのすべてのお店はドネーションカットを対応していますが、サロンによって料金やサービスが違うので事前にサロンに確認するのをおすすめします。
では賛同サロンは一般のサロンと何が違うのか?どんなことをしているのか?
主に以下の4点が一般サロンと違うことです。
・ドネーションカット
・出来上がったウィッグの仕上げカット
・リーフレットの配布
・募金箱の設置
※サロンによって協力内容は異なります。
ドネーションカットは通常カットと違い、いくつかの作業が増えるので予約の時は必ず「ドネーションカットしたい」と伝えるようにしましょう。
実はドネーションカットは賛同サロン以外の一般サロンでのカットやセルフカットをすることも可能です。
ですが、賛同サロン以外だと慣れていないサロン側も不安ですし、自分ですることも増えて少し大変です。
賛同サロンカットするメリット
・安心して任せられる
・郵送してくれる
・割引や特典がある
賛同サロンは作業手順がスムーズでドネーションカットに慣れている上に郵送までしてくれるので最初から最後までお任せできるのはとても安心です。
セルフカットはカット後の髪を整えるために後にサロンに行くことになるので初めからプロの美容師さんに任せた方が良さそうです。
賛同サロンの特典は?
・10%程度の割引
・キャンペーンによる割引
・団体から感謝状や青いリボンが送られてくる(団体による)
・ジョンマスターオーガニックサロンではドナー特典として5,200円相当のヘアケアアイテムのプレゼントがある
特典の有無や内容は異なるので気になる方は事前に調べるか直接サロンに問い合わせするのをおすすめします。
近くに賛同サロンがなければ送付することも可能
現在、賛同サロンは4,000店舗以上ありますが全国の地域に必ずあるとは限りませんし、あまり遠出できない方もいます。
そんな時はヘアドネーション団体に送付することができます!!
どの団体に送ればいいの?と必然的に疑問に思いますよね。
有名なヘアドネーション団体を3つご紹介します。
NPO法人「Japan Hair Donation & Charity(JHD&C通称ジャーダック)」
先程少し説明があったように日本で初めてのヘアドネーション団体で最も知名度があります。
企業とのコラボやイベント開催、メディアへの出演などを積極的に行っている団体です。
【送付先・送付方法】
●送り先
〒530-0022
大阪府大阪市北区浪花町13-38 千代田ビル北館7F
「NPO法人JHD&C事務局」
(宅配便記載用電話番号 06-6147-5316)
●用意するもの
1つに束ねた乾いた髪の毛・ドナーシート(JHD&Cのホームページから印刷できます)
返信用の封筒(JHD&Cが髪の毛を受け取ったという受領書を送るための封筒 ※ホームページから返信用の封筒を作れます)・発送用の封筒、レターパック
●梱包の仕方
ゴムで束ねた乾いた髪の毛(複数でのまとめて送付はNG)とドナーシートと返信用封筒(受領書を希望の方のみ)→簡易包装で送る
NPO法人「HERO」
オリジナルヒーロー‶破牙神ライザー龍″が2011年の東日本大震災以来、宮城県、福島県、岩手県の被災3県の幼稚園、保育園、児童施設などで年間200回以上の「交通安全教室」
「防犯教室」「リズム体操教室」などのボランティア活動を行っている団体です。
2016年から病気やケガで髪の毛を失った子供たちにメディカルウィッグを提供するヘアドネーションプロジェクトを開始しました。
【送付先・送付方法】
●送り先
〒981-8003
宮城県仙台市泉区南光台2丁目13-1 NPO法人HERO
ヘアドネーションプロジェクト係
●用意するもの
1つに束ねた乾いた髪の毛・名前や居住所を書いた紙・発送用の封筒、レターパック(木箱やダンボールはNG)
●梱包の仕方
封筒やレターパックにゴムで束ねた乾いた髪の毛(髪の毛を包む場合はビニール袋に入れる※複数の髪の毛を同時に送る時は一束ずつビニール袋に入れる)と
名前や居住所を書いた紙を入れる→なるべく簡易包装で送る
荷物到着時に受け取り確認の意味でHEROのホームページのトピックスに掲載されます。
本名の記載ができない場合はニックネームまたは匿名希望と記載する。
株式会社グローウィング「つな髪」
つな髪は女性用ウィッグを製造販売、メンテナンスウィッグ専用美容室「ワンステップ」
の運営などを主に行っている会社です。
その他、イベントや外見ケア講座、SDGsの取り組みなども積極的に行っています。
【送付先・送付方法】
●送り先
(株)グローウィング つな髪事務局
〒530-0001
大阪府大阪市北区梅田3丁目3-45マルイト西梅田ビル5F
※直接のお持ち込みは受け付けていません。
●品目欄の記入内容
髪の毛・発送日・〇月〇日
●用意するもの
1つに束ねた乾いた髪の毛(15㎝以上でも可能)・発送用の封筒、レターパック、箱
●梱包の仕方
封筒やレターパックや箱にゴムで束ねた乾いた髪の毛を入れる(複数の髪の毛を同時に送る場合はほかの人の髪の毛を一緒に束ねない)→簡易包装で送る
!!!髪の毛梱包時のNG!!!
・髪の毛を梱包の際はラップ、ティッシュ、アルミホイル、紙で包まない
・紙にテープで髪の毛を貼り付けない
・毛先の先端や切り口にボンドを付けない
・梱包時にホッチキスを使わない
髪の毛を丁寧に送ろうという気持ちはありがたいと思いますが、開封時に団体スタッフの手間になったり、ケガをしたり、髪の毛を傷つけたりと、、、、
リスクが増えますので過剰梱包は控えましょう。
※3団体に共通することです
おすすめした団体や会社以外にもヘアドネーション活動をしているところは色々あります。
それぞれの企業理念や活動理念に共感できるところに送っても良いですし、送料は送付者が負担なので、単純に距離が近いところ送るのもいいと思います。
まとめ
ヘアドネーションという活動について以下のようにまとめました。
・ヘアドネーションとは病気や治療などで髪の毛を失った18歳以下の子供たちに無償でメディカルウィッグを提供する活動
・ヘアドネーションできる髪の毛の条件は髪の長さ31㎝以上が基本でカラー、パーマなどもOK
・ヘアドネーション賛同サロンは現在増えてきているが、サロンによって料金、割引、特典などの条件が異なるので事前に調べるか、サロンに確認してから行くのがおすすめ
・近くに賛同サロンが無ければ郵送でも受け付けしている。
団体や会社ごとに用意するものや、梱包方法が異なっているので事前にホームページで
確認することをおすすめ
ヘアドネーションは1つのウィッグを作るのに手間と時間がかかり、全国から集まる髪の毛の在庫もたくさんあります。
低価格でクオリティの高い人工ウィッグが増えている中で、「手間と時間をかけて人毛ウィッグを作らなくてもいいのではないか」、「髪の毛が余って捨てているのではないか」という意見がふえてきて、残念ながら「ヘアドネーション意味ない」という言葉も目立ってきています。
ヘアドネーションは意味はあります!!!
団体はヘアドネーションをするために募金やイベントなどを行い、資金を得ています。
髪の毛の在庫はウィッグの出番が来るまできれいな状態で保管されています
何より完全無償でウィッグを提供しているという時点で、ウィッグを求めている子供たちやその家族はとても嬉しいことなので意味のないことなんてないです。
切ってしまう髪の毛を利用して次のモノへ変化するというのは今関心が高まっている「SDGs」にも繋がっているのではないでしょうか。