肌にいい成分のコラーゲンとは美容効果だけだと思ってはいませんか?
コラーゲンは肌にいい、とよく耳にしますが実は、美容だけではなく体全体に必要な成分です。
特に骨には重要な成分で、骨粗しょう症にも関係があると言われています。
コラーゲンとは何か、また効果的な摂取方法、骨粗しょう症との関係について詳しく見ていきましょう。
最初にコラーゲンとは?
まずはコラーゲンについてみていきましょう。
コラーゲンとは、タンパク質の一種で鶏の手羽先やフカヒレなどにも含まれています。私たちの体をつくっているタンパク質のうち、約30%はコラーゲンです。
肌に必要な成分と思いがちなコラーゲンですが、皮膚だけではなく、じん帯、骨、軟骨、血管、角膜などあらゆる組織に存在しています。
では、コラーゲンは本当に肌にいいのでしょうか。
私たち人間の肌は、表皮と真皮という2つの層から成り立っています。先ほど皮膚にもコラーゲンは存在しているとお伝えしましたが、コラーゲンが関わっているのは肌の真皮という部分です。
真皮というのは表皮より内側の部分のことで、肌のハリや弾力を保って維持する役割があります。この真皮の成分のうち、約70%がコラーゲンです。
このことから、コラーゲンを摂取すると、皮膚の弾力を改善することができると言われているのですね。
また、コラーゲンは口から摂取しても意味がない、ということを聞いたことがあるかもしれません。
これは、コラーゲンはタンパク質の一種なので、体内に入ると消化酵素の働きでアミノ酸やペプチド (アミノ酸が結合したもの)などの小さな分子に分解されてしまうことを言っているのでしょう。
コラーゲンという形のまま吸収されるということはないのですね。
つまり、コラーゲンを口から摂取することは、アミノ酸を摂取するということになります。そのアミノ酸が、自分の期待する場所で再びコラーゲンになるかは分からない、ということになんですね。
しかし、口からコラーゲンを摂取することは全く意味がない、という訳ではないので安心してください。効果的な摂取方法についても、後程ご紹介しますね。
サプリメントには哺乳類由来と魚由来がある
コラーゲンのサプリメントやドリンクには、哺乳類由来と魚由来のものがあります。
これらはどのような違いがあるのでしょうか。
まずコラーゲンの成分としてですが、これは大きな違いはありません。
それぞれの特徴を見てみましょう。
哺乳類由来のコラーゲン
哺乳類由来のコラーゲンは、鶏や豚の皮からつくられます。これら哺乳類由来のコラーゲンは消化されにくく、分解能もあまり高くないとされています。
分解されにくい、ということは体への吸収もされにくいことになりますので、哺乳由来のコラーゲンサプリはあまりお勧めできません。
魚由来のコラーゲン
一方、魚由来のコラーゲンは、魚のウロコや魚皮からつくられます。ウロコで作るものと魚皮で作るものでは製法が異なるので、金額にも違いが出てきます。
皮よりもウロコからつくられたサプリのほうが価格は安く、手軽に試せます。
しかし、ウロコは加工の際に塩酸使用するため、コラーゲンが破壊されて本来の機能を弱くしてしまっている場合があります。
また、残留塩酸により胃が荒れるなどの悪影響を及ぼすこともあります。
魚皮由来のものは価格が高いものの、加熱と酵素だけでコラーゲンを抽出しています。コラーゲンを完全な形で取り出せるので、効果を実感しやすいと言えるでしょう。
コラーゲンと骨粗しょう症
骨と聞くとカルシウムを連想しますが、実はコラーゲンも関係しているのです。骨の体積の半分ほどはカルシウム、そして残りの約半分がコラーゲンです。
コラーゲンは骨の土台(ビルでいうと鉄筋)の役割を果たしているのです。
コラーゲンが骨に含まれていて骨の内側の柔軟性を保ちます。そのおかげで、骨がもろくなり折れやすくなることを防いでいます。
骨の強さは、密度だけではなく質もとても大切です。骨の質にかかわってくるのがコラーゲンです。
コラーゲンが劣化や減少すると、骨の質が悪くなり骨粗しょう症になる可能性が高くなってしまうのです。
ですから、骨粗しょう症を予防するには、カルシウムだけではなくコラーゲンを摂取する必要があると言えます。
効果的な摂取方法
コラーゲンはタンパク質の一種でアミノ酸から構成されています。コラーゲンを構成しているアミノ酸は「非必須アミノ酸」なのですが、1日3食、通常の食事をしていれば不足の心配はないとされています。
コラーゲンが多く含まれる食品として有名なのは、フカヒレや手羽先などではないでしょうか。
しかし、1日にコラーゲンを5g摂取するだけでも、牛すじなら100g、手羽先だと335gも必要になります。
毎日食品からきちんと摂取するのは難しいかもしれませんね。
そのような時には、補助としてサプリメントを使っていくようにしましょう。
しかし、美肌になりたいから、とコラーゲンを過剰摂取しないようにも注意が必要です。
コラーゲンを多く摂取しても、そのまま吸収はされません。アミノ酸に分解され、摂取しすぎると排出しきれずセルライトができる原因になってしまいます。
また、腎臓が弱い方はコラーゲンの過剰摂取により排尿がうまくいかず、むくみや頭痛が出やすくなることもあります。
多くとりすぎるのではなく適量を毎日摂取するほうが有効的ですよ。
また、コラーゲンを体内で作るためには、アミノ酸だけでなくビタミンCや鉄分も必要です。特に女性は、月経やダイエットでの偏った食事により、体内の鉄分が足りていないと言われています。
肌の調子が気になるという場合は、コラーゲンだけではなくビタミンCと鉄分も摂取するといいですね。
コラーゲンの正しい摂り方の動画紹介
まとめ
コラーゲンはタンパク質の一種で、肌だけではなく骨や血管などにも含まれていることが分かりました。
哺乳類由来と魚由来のサプリメントやドリンクがありますが、魚由来ほうが吸収率が高いのですね。魚由来でもウロコからできているか魚皮からできているかで異なってきます。
魚皮が成分になっているコラーゲンの価格は少し高めですが、効果も感じやすいですよ。
また骨の質を上げるためにもコラーゲンは役に立ちます。骨粗しょう症はコラーゲン不足が原因、とも言われています。
カルシウムだけではなくコラーゲンも摂取することで骨の質が上がり、骨が強くなりますよ。
サプリメントだけに頼るのではなく、バランスのいい食事をとるように意識するとコラーゲンを構成している非必須アミノ酸は不足しないと言われています。
サプリメントはあくまで補助として、過剰摂取しないように注意しましょうね。